実業とか実業家という単語は死語になったと思います。
今経済を支配している金融や情報関係のビジネスは昔は実業とみなしていませんでした。
流石に、虚業とは言われていませんでしたが、社会は実業をより必要としていました。
アナクロですが、実業家が社会の尊敬の最高の対象でした。
ユダヤ教以外の宗教においては金貸しは卑しい生業でした。
産業革命以降、先進国が資本主義になって資本を供給する人が、経済や社会への支配力を強めました。
自分でお金や資産を持って資本を供給する人を資本家と呼びました。
人々から預かったお金を資本として供給する人をバンカー(銀行家)と呼びました。
資本家とバンカーが実業家に代わって最高の尊敬の対象になりました。
そんな状態になる前の、逆の価値観はシェークスピアのベニスの商人に見ることが出来ます。
シャーロックという金貸しを悪者にしたこの戯曲がユダヤの民が金の亡者みたいな偏見を作り出したとの意見もあります。
日本では、欧米と比し最近まで実業家は社会にとって必要な人財とみなされていました。
敗戦で財閥解体や農地解放で資本家がいなくなったので、日本では実業を起こそうとするものは銀行からお金を借りて事業を始めたからです。
実業家がリスクを取って、ことを始めなければ戦後復興は成し遂げられなかったでしょう。
最近まで、日本では借金のことを他人資本とカテゴライズしていました。
借金出来ることが財産だったのです。
ある時から、借金はマイナスとして評価する国際会計基準が導入され、金融マニュアルで借金が多い会社は不良債権会社とされました。
日本の特殊な資本主義の歴史の一部です。
私が陰謀論者になったのは、これがきっかけです。
実業とか実業家という単語は死語になったと思います。 今経済を支配している金融や情報関係のビジネスは昔は実業とみなしていませんでした。

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