スウェーデンは国民に対して行動制限を求めませんでした。理由が二つあります。
ひとつが日本と同じで憲法でいわゆるロックダウン(法的拘束力を持っての行動制限)が禁じられていたからです。
もう一つが、新たに発生した新種のウィルスは常に遺伝子変異を繰り返し、変異株となり、前の株で形成された集団免疫が感染拡大を抑制しないことがウィルス学上の通説であるので、国民に過度の行動、移動要請を強いても感染拡大の防止に無意味であることを前提にパンデミック対策を行なっていました。
つまり、変異株が出てくるたびに新しい感染の波が広がり、それが収束しても新しい変異株の波が更に大きく発生する。
よって、いったん始まった新種のウィルスのパンデミックは長期間続く。
従って、国民に行動制限や移動制限を強いることでいろいろない負担を長期間与える対策は合理性がない。
これが、スウェーデンのパンデミック対策の基本哲学と戦略でした。
事実、日本では5類相当指定までの3年間、波が9回発生しています。 本来、感染者数よりも、感染して、重症化して、死亡する人をどうやって減らすかがパンデミック対策の要諦であります。
逆に、行動や移動制限などは感染拡大を防止出来ないにもかかわらず、個人の行動を制約する本質は憲法違反の行為であり、特に経済的なダメージが大きいもので、しかも特定の事業者に偏ったダメージを与えるものです。
ついでに言えば、2020年3月には無症状者がかなりの割合でいることが世界的に判明していました。
だから、PCRの全数検査をしなければ、クラスターに絞った疫学調査では、実効性のある隔離政策は取れないことは科学的に確定していました。
つまり、氷山の一部のたまたま陽性者の洗い出しと、その濃厚接触者の隔離で変異株の新たな感染拡大を防止することは不可能に近いのです。
しかし、PCR全数検査はだいぶ後にしか実現していません。しかも、限られた指定病院や一部の利権機関でしか受けられませんでした。
ともかく、国民を何かと理由をつけて旅行や帰省などの余計な移動をさせない。外食などの庶民にとって通常の生活で当たり前な行為をさせない。
これが日本のパンデミック対策の本質でした。
2020年の5月頃は、私も未知のウィルスに怯えて、8割おじさんの脅し文句を真に受けていました。
憲法上、国民の移動や行動を制限することが出来ない日本で、実際は、世界でも1番と尾身分科会会長が豪語する国民の行動や移動の制限を具現化できて、世界で1番の低い死亡率を達成できたのは何故だったのでしょうか?
尾身分科会会長に2020年の11月頃、日本国民は気持ちが緩んで、ウィルス感染が拡大しないための行動変容を手抜きしていることを怒られました。
国民の気の緩みが原因で第3波の感染拡大が起こっているとも注意されました。
中川日本医師会会長からは国民の気持ちが緩んでいて感染が拡大しているとし、このまま旅行とか帰省とかやっていると感染爆発が起きて医療崩壊が起きると医療を代表して警告を受けました。
ちなみに、この警告を重視した菅首相は、日本中の病院に、指定感染症対応病床にするために1500万円/ベッドを助成することにしました。
でも結局、感染者を実際受け入れたベッドは人員不足を理由にそんなに増えませんでた。
それでも、医療崩壊は起きませんでした。
国民の行動を強制的に制約しても感染者数は減らず、死亡者数も減らないことは中華人民共和国で立証されています。
これは日本のパンデミック対策に科学的裏付けが乏しく、合理性を欠いていたことの1事例です。
長くなりましたのでこの辺でとりあえず終わります。
スウェーデンは国民に対して行動制限を求めませんでした。理由が二つあります。

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